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肥育牛1頭の損益分岐点はどう計算する?枝肉価格と原価から逆算する方法

2026.08.02

肥育牛1頭の損益分岐点は、出荷までにかかった総原価から副産物収入等を引き、販売枝肉重量で割って求めます。枝肉相場だけを見て出荷の良否を判断すると、素牛価格や肥育期間の違いを見落とします。

基本の計算式

損益分岐枝肉単価=(1頭当たり総原価-副産物収入・交付金等)÷販売枝肉重量

総原価には、素畜費、濃厚・粗飼料費、敷料、診療・薬品、共済掛金、運賃、市場・と畜・販売経費、水道光熱、機械・牛舎の減価償却、支払利息、家族を含む労働費を含めます。補助金や牛マルキンを恒常的な売価として先に織り込まず、「交付なし」と「交付あり」を分けて見るのが安全です。

計算例

項目 例
総原価 1,250,000円
副産物収入等 30,000円
販売枝肉重量 500kg
損益分岐枝肉単価 2,440円/kg

実際の数値は農場、血統、月齢、販売先で異なります。この例は計算方法を示すもので、相場予測ではありません。

経営者が毎月見る3つの感度

  • 枝肉単価が100円/kg下がると、500kgなら売上は5万円減る
  • 飼料費が1日100円増え、肥育600日なら6万円増える
  • 出荷が30日延びれば、飼料・労働・牛舎占有の追加費用が生じる

格付けを上げるための長期肥育が、追加原価を上回る販売増につながるかを個体群で検証します。「A5だったか」だけでなく、粗利益と年率で評価することが経営です。

現場で起きやすい集計ミス

  • 家族労働を0円にする
  • 死亡・事故牛の損失を出荷牛だけに配賦しない
  • 機械修理、堆肥処理、電気代を共通費として外す
  • 税込・税抜、枝肉重量・生体重を混在させる
  • 在庫牛の増減を無視して現金収支だけを見る

よくある質問

枝肉単価が損益分岐点を超えれば黒字ですか?

計算に必要な原価がすべて含まれていれば、その個体の採算判断になります。ただし本社費、税金、借入元金、更新投資に必要な資金は別に確認します。

格付け別に計算すべきですか?

はい。性別、血統、導入月、出荷月、格付けなどで群を分けると、どの管理が利益につながったか見えます。

関連:畜産農家経営の主要KPI/枝肉成績の生かし方

参考資料

農林水産省「令和6年肉用牛生産費」

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