この記事の要点:1頭当たり飼料費は「各飼料の実質単価×実給与量×給与日数」の合計です。ただし実質単価には運賃、加工、保管、廃棄を含めます。安い飼料へ替えてDGが下がり肥育期間が延びれば、総飼料費は増える可能性があります。
基本の計算式
1頭当たり飼料費=Σ(飼料別の実質単価×1日給与量×給与日数)
肥育前期・中期・後期で給与量と配合が変わる場合は、期間ごとに計算して合算します。
簡単な計算例
| 飼料 | 実質単価 | 日量 | 日数 | 費用 |
|---|---|---|---|---|
| 配合飼料 | 80円/kg | 8kg | 600日 | 384,000円 |
| 粗飼料 | 45円/kg | 1.5kg | 600日 | 40,500円 |
この単純例では合計424,500円です。実際には段階別給与、残飼、サプリメント、加工費などを加えます。
実質単価に含めるもの
- 購入価格
- 運賃・荷下ろし
- 粉砕・圧ぺん・混合費
- 倉庫・サイロ・電気
- 乾燥・発酵調製
- カビ・破袋・残飼の廃棄
乾物ベースで比較する
高水分の副産物と乾燥穀物を原物kg単価だけで比べると誤ります。乾物1kg、TDN1kg、粗たんぱく質1kg当たりへ換算します。
増体1kg当たり飼料費
増体1kg当たり飼料費=肥育期間中の飼料費÷総増体量
飼料単価が上がってもDGが改善し肥育日数が短縮すれば、総原価が下がる場合があります。反対に安価な原料で採食とDGが落ちれば、牛房回転率まで悪化します。
公的統計との比較
農林水産省の2024年肉用牛生産費では、去勢若齢肥育牛1頭当たりの飼料費は479,085円、全算入生産費は1,375,264円でした。これは全国平均であり、自農場の品種、肥育日数、購入価格とは異なります。
月次で見るKPI
- 1頭1日当たり飼料費
- 乾物摂取量
- DG
- 増体1kg当たり飼料費
- 残飼・廃棄率
- 出荷牛1頭当たり総飼料費
経営KPI全体は畜産農家経営の主要KPIをご覧ください。
よくある質問
全国平均を自農場の予算に使えますか?
参考にはなりますが、頭数、肥育期間、飼料契約、成績が異なるため、自農場データで計算します。
自家産飼料は無料で計算してよいですか?
いいえ。種苗、肥料、機械、燃料、労働、地代、保管を原価に含めます。
最も重視すべき数字は何ですか?
飼料単価だけでなく、1頭当たり総飼料費と増体1kg当たり飼料費を併せて見ます。
参考資料
計算例は考え方を示す仮定値で、ウェスタン・ファームの実績値ではありません。