肥育経営では、利益が出ていても現金が不足することがあります。素牛代と飼料費を先に支払い、売上は長い肥育期間の後に入るためです。月次損益だけでなく、24~36か月先までの入出金を並べた資金繰り表が必要です。
資金繰り表の構成
| 区分 | 主な項目 |
|---|---|
| 入金 | 枝肉売上、直販売上、交付金、共済金、借入 |
| 定常支出 | 飼料、敷料、人件費、電気、診療、運賃 |
| 季節支出 | 稲わら収集、機械修理、保険、税・社会保険 |
| 財務支出 | 借入元金、利息、リース料 |
| 投資 | 牛舎、機械、車両、更新費 |
出荷予定表と一体で管理する
個体ごとの導入日、出荷予定月、想定枝肉重量、保守的な単価を並べます。出荷が1か月ずれた場合、売上入金の延期と追加飼料費を同時に反映します。予定売上は100%で置かず、事故と価格下落を含む安全率を掛けます。
3つのシナリオ
- 標準:計画どおりの出荷頭数・重量・単価
- 悪化:単価低下、出荷延期、飼料高、事故増
- 回復:単価・成績改善、交付金入金
悪化シナリオで現金残高が最低運転資金を下回る月を特定し、導入頭数、設備投資、借入枠を早めに調整します。資金が不足してから金融機関へ相談するより、月次実績と予測差を持って事前相談する方が選択肢を確保できます。
利益と現金がずれる主な理由
- 在庫牛の増加は現金流出でも全額が当期費用にならない
- 減価償却費は費用でも当月の現金支出ではない
- 借入元金返済は費用ではないが現金が出る
- 補助金・共済金・牛マルキンは入金時期が売上とずれる
- 消費税や法人税は後からまとまって支払う
よくある質問
何か月先まで作りますか?
少なくとも肥育期間と借入返済を覆う24か月、設備投資がある場合は36か月以上を推奨します。
売上単価は何を使いますか?
直近高値ではなく、自社の複数年実績と保守的なケースを使います。