この記事の要点:カナダはオーストラリア、米国に続く日本の主要な牛肉供給国です。牛肉生産量の約4割を輸出に仕向け、穀物肥育牛肉では世界有数の供給力を持ちます。一方、干ばつ、飼料費、牛群縮小、米国市場への依存が供給へ影響します。
カナダの肉牛生産地域
肉牛生産はアルバータ州など西部平原地域が中心です。繁殖農場で生まれた子牛は、牧草地で育成された後、フィードロットで大麦、小麦、トウモロコシなどを利用して肥育されます。寒冷な気候や季節性に対応した飼養管理が必要です。
穀物肥育牛肉の輸出国
農畜産業振興機構の調査では、カナダの牛肉生産量は世界全体の約2%ですが、穀物肥育牛肉では世界第3位の生産規模とされています。生産量の約4割が輸出され、米国が最大市場、日本も重要な輸出先です。
米国とつながるサプライチェーン
カナダと米国の間では、生体牛、牛肉、飼料、加工が国境を越えて動きます。この統合は大きな市場と加工能力を利用できる強みである一方、米国の需給、通商政策、疾病対応、為替の影響を受けやすい構造でもあります。
CPTPPと日本向け輸出
CPTPPの発効後、カナダ産牛肉の日本向け関税は段階的に引き下げられ、対日輸出を後押ししました。2023年には加工品を含む輸入制限の解除も進みました。ただし、実際の競争力は関税だけでなく、現地相場、為替、海上運賃、冷蔵・冷凍構成で決まります。
日本の輸入構成は日本は牛肉をどの国から輸入している?で解説しています。
干ばつと牛群縮小
牧草や飼料穀物の生産は天候に左右されます。干ばつが続くと飼料確保が難しくなり、繁殖雌牛の淘汰が進みます。短期的にはと畜頭数が増えても、その後は子牛供給が減り、生産回復に数年を要する可能性があります。
日本の和牛生産との違い
カナダは繁殖、育成、肥育、加工の分業と規模に強みがあります。日本の黒毛和種生産は、長い肥育期間と個体別管理、枝肉格付、地域ブランドを重視します。カナダ産と国産和牛は、用途と価値設計の異なる商品として理解する必要があります。
よくある質問
カナダ産牛肉は牧草肥育ですか?
育成期には牧草を利用しますが、出荷前にフィードロットで穀物肥育される牛も多くいます。
カナダは日本の何番目の供給国ですか?
近年はオーストラリア、米国に続く主要供給国です。年度や冷蔵・冷凍区分により順位・構成比は変動します。
CPTPPだけで輸入価格は決まりますか?
いいえ。関税に加え、為替、現地牛価、飼料費、輸送費、需給が影響します。