この記事の要点:2025年度の日本の牛肉輸入量は約50.8万トンで、オーストラリアと米国が中心です。一方、国内生産量は約35.0万トンでした。輸入牛肉と国産牛・和牛は、価格帯、用途、供給量、食味の設計が異なり、単純な優劣では比較できません。
日本の牛肉輸入量
農畜産業振興機構(ALIC)によると、2025年度の牛肉輸入量は508,087トンでした。冷蔵は172,943トン、冷凍は334,885トンです。
| 区分 | オーストラリア | 米国 |
|---|---|---|
| 冷蔵 | 92,471トン(53.5%) | 64,427トン(37.3%) |
| 冷凍 | 163,292トン(48.8%) | 117,088トン(35.0%) |
両国だけで輸入牛肉の大部分を占めます。このほか、カナダ、ニュージーランド、メキシコなどからも輸入されています。
なぜ日本は牛肉を輸入するのか
外食、量販店、加工食品、給食など、日本の牛肉需要は幅広く、国内生産だけですべてを賄うことはできません。輸入牛肉は安定した数量供給と多様な価格帯を支えています。一方、国産和牛は、きめ細かな脂肪交雑、地域ブランド、個体管理などを価値として提供します。
冷蔵牛肉と冷凍牛肉の用途
冷蔵牛肉はチルド流通により、小売の精肉や外食向けで使われます。冷凍牛肉は長期間保管しやすく、外食、加工、業務用需要に対応しやすい特徴があります。ただし、実際の用途は部位、規格、輸送条件、販売先によって変わります。
オーストラリア産牛肉の特徴
オーストラリアでは広い放牧地を活用した繁殖・育成と、穀物肥育を行うフィードロットが組み合わされています。グラスフェッドだけでなく、日本市場向けのグレインフェッドやWagyuも生産されています。詳しくはオーストラリアの肉牛産業で解説します。
米国産牛肉の特徴
米国では大規模な牧場、子牛育成、フィードロット、と畜・加工という分業が発達しています。穀物肥育による供給力が大きく、日本向けではバラ、肩、ロインなど多様な部位が流通します。詳しくは米国の肉牛産業をご覧ください。
輸入牛肉と和牛はどう違うのか
「輸入牛肉」と「和牛」は対になる分類ではありません。輸入牛肉は原産国による分類、和牛は品種に基づく分類です。海外でもWagyuが生産され、日本国内にも交雑牛や乳用種があります。比較するときは、原産国、品種、飼料、肥育期間、格付、部位を分けて確認する必要があります。
日本の格付制度は牛肉の格付けとは?で解説しています。
生産農家から見た輸入と国産の関係
輸入牛肉は日本の食生活と外食産業を支える重要な存在です。国産和牛の生産者に求められるのは、輸入品を否定することではなく、飼養管理、血統、地域資源、肉質、トレーサビリティという固有の価値を説明することです。
よくある質問
日本が最も多く牛肉を輸入する国はどこですか?
2025年度は冷蔵・冷凍ともオーストラリアが最大で、米国が続きます。
輸入牛肉にもWagyuはありますか?
あります。ただし、海外産Wagyuと日本国内の和牛は、生産国、血統構成、制度上の表示が異なるため、同一ではありません。
輸入牛肉と仙台牛の最大の違いは何ですか?
仙台牛は宮城県内で肥育された黒毛和種で、枝肉格付がA5またはB5のものに限られます。輸入牛肉は国、品種、肥育方法、規格が多様です。