この記事の要点:気温と湿度が上がると、牛は体内で発生する熱を減らすため採食量を落とすことがあります。農林水産省も、暑熱による影響として食欲不振、繁殖力低下、増体量減少などを挙げています。高栄養飼料を増やすだけでなく、送風、日陰、飲水、飼槽衛生、給餌時刻を組み合わせます。
暑熱時に起きる変化
- 採食量の低下
- 飲水量の増加
- 呼吸数の増加
- 日中の活動低下
- DGや繁殖成績の低下
- 飼料の発熱・変敗の増加
まず環境を改善する
換気扇・送風機、日除け、屋根の断熱や散水、適正な飼養密度などで体感温度を下げます。風が牛体へ届いているか、柱や壁で死角がないかを牛の高さで確認します。
飲水を最優先で確認
低温で清浄な水を十分に供給します。夏は複数頭が同時に飲むため、給水器の数だけでなく回復流量、配管径、ピーク時の水圧を確認します。
給餌時刻と飼料管理
- 涼しい時間帯の給餌を活用する
- 飼槽へ長時間放置しない
- TMRの発熱と乾燥・選び食いを確認する
- こまめな寄せ餌で採食機会を作る
- 急な配合変更を避ける
栄養濃度の調整は慎重に
採食量が下がると同じ飼料でも養分摂取量が減ります。しかし、濃厚飼料だけを急に増やすとルーメン障害のリスクがあります。粗飼料の物理性、脂肪、ミネラル・ビタミンを含め、専門家と全体設計を見直します。
早期発見の記録
- 気温、湿度、牛舎位置
- 給与量、残飼、飲水量
- 呼吸、姿勢、よだれ
- 体温、採食、反すう
- 体重、DG、治療件数
牛房単位で比較すると、送風の死角や給水不足を発見しやすくなります。
停電・故障にも備える
送風機、ポンプ、自動給餌設備が止まると影響が急速に広がります。非常電源、警報、連絡網、手動給水の方法を決めます。
飲水設備は牛の飲水管理、飼料切替は牛の飼料切替をご覧ください。
よくある質問
扇風機を設置すれば十分ですか?
風速と到達範囲、日射、湿度、飲水、密度を総合的に確認します。
夏は濃厚飼料を増やせばよいですか?
急な増量は危険です。採食量とルーメン環境を見ながら全体設計を調整します。
夜に食べていれば問題ありませんか?
一日の総摂取量、飲水、呼吸、DG等で判断します。夜間の換気不足にも注意します。
参考資料
熱中症や疾病が疑われる場合は、速やかに獣医師へ相談してください。