この記事の要点:粗飼料は単なる「かさ増し」ではなく、反すう、唾液分泌、ルーメン環境、採食を支える飼料です。稲わら、チモシー、アルファルファ、オーツヘイは、たんぱく質、繊維、物理性、価格が異なり、同じ重量で置き換えられません。
主な粗飼料を比較
| 種類 | 特徴 | 主な利用 |
|---|---|---|
| 稲わら | 繊維・物理性、栄養価は低め | 肥育牛 |
| チモシー | 嗜好性と繊維のバランス | 乳牛・育成牛等 |
| アルファルファ | たんぱく質・カルシウムが比較的多い | 乳牛、育成等 |
| オーツヘイ | えん麦乾草、収穫時期で品質変動 | 肉用牛・乳牛 |
| サイレージ | 乳酸発酵で保存 | 青刈りとうもろこし、牧草、稲WCS等 |
稲わら
肥育牛で広く利用されます。栄養価よりも繊維と物理性の役割が大きく、濃厚飼料中心の肥育で反すうを支えます。国産は水田地帯で収集され、輸入品も流通します。
チモシー
北米などから輸入されるほか、北海道を中心に国産牧草も生産されます。等級名だけでなく、刈取時期、葉と茎の割合、水分、色、異物、分析値を確認します。
アルファルファ
マメ科牧草で、イネ科乾草より粗たんぱく質・カルシウムが多い傾向があります。米国などが主要供給国です。栄養価が高いから多給すればよいわけではなく、全体のたんぱく質・ミネラル設計に組み込みます。
オーツヘイ・スーダングラス
オーストラリア産オーツヘイや米国産スーダングラスなどが流通します。穂の成熟、茎の硬さ、糖分、カビ、硝酸態窒素など、草種とロットに応じた確認が必要です。
輸入国を分散する理由
乾草は米国、カナダ、オーストラリアなどから輸入されます。干ばつ、山火事、港湾、検疫、海上運賃、為替で供給が変動するため、複数草種・複数産地を使える設計が調達リスクを下げます。
品質確認のポイント
- 乾物、水分、粗たんぱく質、NDF
- 葉と茎、切断長、硬さ
- カビ、発熱、臭い、変色
- 土砂、金属、雑草などの異物
- ロット差と分析証明
稲わらの確認方法は飼料用稲わらの品質とは?をご覧ください。
よくある質問
稲わらと牧草は同じですか?
違います。稲わらは米収穫後の茎葉で、牧草とは栄養価や用途が異なります。
アルファルファが最も優れた粗飼料ですか?
目的によります。高栄養ですが、肥育段階、全体設計、価格によって適量が変わります。
輸入乾草は国産より品質が低いですか?
一概にはいえません。国産・輸入を問わず、ロットごとの成分と保管状態で判断します。