この記事の要点:FCR(Feed Conversion Ratio、飼料要求率)は、一定期間の飼料摂取量を増体量で割った指標です。一般に数値が小さいほど少ない飼料で増体したことを示しますが、肉質、枝肉重量、肥育日数、事故率を犠牲にして数値だけを追うべきではありません。
FCRの計算式
FCR=期間中の飼料摂取量÷期間中の増体量
例として、乾物摂取量が1,200kg、増体量が200kgならFCRは6.0です。比較するときは原物ではなく乾物量を使い、期間と牛群条件をそろえます。
DGとの違い
DG(1日平均増体量)=期間中の増体量÷飼養日数
DGは成長速度、FCRは飼料から増体への効率を見ます。DGが高くても大量の飼料を必要とする場合があり、両方を確認します。
飼料効率
飼料効率は「増体量÷飼料摂取量」で表し、FCRの逆数に近い考え方です。資料や農場で定義が異なる場合があるため、式を明記します。
FCRを動かす要因
- 血統、性別、月齢
- 導入時体重と健康
- 飼料成分、消化性、加工
- 採食量と飼料ロス
- 暑熱・寒冷、飼養密度
- 疾病、寄生虫、事故
- 肥育段階と測定期間
経営では金額へ変換する
増体1kg当たり飼料費=期間中の飼料費÷増体量
FCRが同じでも、使用原料の価格が違えば飼料費は異なります。逆に高価な飼料でもDGが上がり、肥育期間と牛房回転が改善すれば、総利益が増える場合があります。
枝肉成績と同時に見る
肥育牛は生体重だけで販売されるわけではありません。枝肉重量、歩留まり、肉質、瑕疵、出荷月齢、販売単価を同時に確認します。農林水産省も、肥育期間が長いほど飼料費等が増え、必ずしも収益性向上につながらないと示しています。
正しく測るための条件
- 開始・終了体重を同じ条件で測る
- 給与量ではなく可能な範囲で摂取量を把握する
- 乾物ベースへ換算する
- 移動・疾病・死亡牛を記録する
- 同じ肥育段階・牛群で比較する
飼料費計算は肥育牛1頭当たりの飼料費、経営指標全体は畜産農家経営の主要KPIをご覧ください。
よくある質問
FCRはいくつなら優秀ですか?
品種、月齢、肥育段階、飼料、計算方法で異なります。自農場内で条件をそろえた比較から始めます。
給与量を使って計算できますか?
概算できますが、残飼・こぼれを含むため実摂取量との差が出ます。ロスを別途測ります。
FCRが改善すれば利益も増えますか?
必ずではありません。飼料単価、枝肉成績、出荷月齢、事故率、労働費まで含めて評価します。
参考資料
計算例は考え方を示す仮定値で、ウェスタン・ファームの実績値ではありません。