この記事の要点:カビが見えない飼料でもカビ毒が残ることがあり、見えるカビを取り除けば安全になるとは限りません。水分、温度、結露、虫害、破損粒を管理し、疑わしいロットは給与せず、供給者・獣医師・検査機関へ相談します。
カビとカビ毒の違い
カビ毒は、一部のカビが産生する化学物質です。カビが死んでも毒が残る場合があり、加熱で十分に除去できないものもあります。色や臭いだけで安全性を判定できません。
主なカビ毒
| 名称 | 関係しやすい原料 | 主な注意 |
|---|---|---|
| アフラトキシン | とうもろこし等 | 乳への移行、健康影響 |
| DON | 麦類、とうもろこし等 | 採食・健康への影響 |
| ゼアラレノン | とうもろこし、麦類等 | 繁殖への影響 |
| フモニシン | とうもろこし等 | 畜種別の感受性 |
飼料には飼料安全法に基づく指導基準・管理基準等が設定されています。基準は畜種や飼料区分で異なるため、最新の公表値を確認します。
圃場・収穫時のリスク
高温、干ばつ、虫害、収穫前の降雨、倒伏などはカビ・カビ毒リスクを高めます。収穫後の管理だけでなく、産地での栽培・収穫条件も重要です。
受け入れ時の確認
- 水分、温度、臭い、変色
- 破損、固結、虫、異物
- 分析証明とロット番号
- 荷姿、輸送中の濡れ・結露
- サンプルの保存
保管で防ぐ
倉庫・サイロを清掃し、雨水侵入と結露を防ぎ、床や壁から離して保管します。先入先出を徹底し、長期在庫を避けます。ロール稲わらや乾草も、ラップ破損、地面からの吸湿、鳥獣被害を点検します。
異常を見つけたら
- 疑わしいロットの給与を止める
- 他ロットと混ぜない
- 現物・ラベル・納品記録を保存する
- 供給者、獣医師、検査機関へ相談する
- 牛の採食・健康状態を記録する
自己判断で薄めて給与すると、汚染範囲が広がり原因究明が難しくなります。
カビ毒吸着材について
製品ごとに対象物質と根拠が異なります。吸着材を入れれば汚染飼料を安全に給与できるとは限りません。まず汚染原料を排除し、必要性を専門家と判断します。
在庫管理は畜産農家の飼料在庫管理でも解説しています。
よくある質問
カビ部分だけ捨てれば給与できますか?
安全とは限りません。カビ毒が周囲に存在する可能性があるため、給与を止めて確認します。
見た目が正常なら安全ですか?
見た目だけでは判断できません。必要に応じてロット分析を行います。
国産飼料ならカビ毒はありませんか?
国産・輸入を問わず、栽培、乾燥、保管条件により発生し得ます。