この記事の要点:2025年の日本産牛肉輸出量は11,860トン、輸出額は約716.6億円で、いずれも過去最高でした。数量では台湾、米国、香港の順です。ただし、公的統計の対象は「日本産牛肉」であり、すべてが和牛であるとは限りません。本記事では統計上の牛肉と、品種としての和牛を分けて説明します。
2025年の日本産牛肉輸出は過去最高
農畜産業振興機構(ALIC)によると、2025年の日本産牛肉輸出量は前年比17.3%増の11,860トン、輸出額は同12.7%増の716億5,626万円でした。輸出先は52カ国・地域に広がっています。
| 順位 | 国・地域 | 輸出量 | 構成比 |
|---|---|---|---|
| 1 | 台湾 | 2,617トン | 22.1% |
| 2 | 米国 | 2,452トン | 20.7% |
| 3 | 香港 | 1,727トン | 14.6% |
数量と金額では順位が異なる場合があります。米国は高単価なロイン系部位の需要が強く、2025年には輸出額で最大の市場となりました。
輸出先によって好まれる部位が異なる
2025年の部位別構成は、ロイン43.4%、かた・うで・もも34.1%、ばら17.9%でした。EUや北米ではステーキや高級レストラン向けのロイン需要が比較的強く、アジアでは焼肉、しゃぶしゃぶ、煮込みなど用途が広いため、かた・うで・ももの割合が高い傾向があります。
輸出を持続的に伸ばすには、サーロインやヒレだけでなく、モモ、肩、バラなど一頭全体を価値化する提案が重要です。部位の特徴は牛肉の部位一覧でも解説しています。
冷蔵と冷凍はほぼ半々
2025年は冷蔵5,416トン(約46%)、冷凍6,444トン(約54%)でした。冷蔵は鮮度感を訴求しやすい一方、輸送日数と温度管理の制約が大きくなります。冷凍は長距離輸送や在庫調整に適しますが、解凍方法を含む品質管理が必要です。
日本産和牛と海外産Wagyuは同じではない
日本で「和牛」と呼べる品種は黒毛和種などに限られます。一方、海外のWagyuには日本由来の遺伝資源を持つ純血・交雑牛など多様なものがあります。生産国、血統、肥育方法、格付制度を確認せず、名称だけで品質を比較することはできません。
仙台牛は、宮城県内で肥育された黒毛和種のうち、枝肉格付がA5またはB5となった牛肉です。認定基準は仙台牛とは?をご覧ください。
牛肉輸出に必要な手続き
食肉を輸出するには、相手国・地域ごとの衛生条件を満たし、認定された食肉処理施設で処理し、動物検疫や衛生証明書の発行を受ける必要があります。条件は国ごとに異なるため、農林水産省や動物検疫所の最新情報を確認しなければなりません。
生産農家から見た海外市場
海外需要の拡大は、和牛の価値を世界へ伝える機会です。ただし、輸出量だけでなく、誰がどの料理にどの部位を使うのかまで理解する必要があります。生産現場の飼養管理、個体識別、枝肉成績、地域の飼料資源といった背景を正確に伝えることが、長期的な信頼につながります。
よくある質問
日本産牛肉の最大の輸出先はどこですか?
2025年の数量では台湾が1位、米国が2位、香港が3位です。金額では高単価部位の需要が強い米国が最大でした。
輸出統計はすべて和牛ですか?
いいえ。公的な貿易統計は日本産牛肉全体を集計しており、すべてが和牛とは限りません。
ウェスタン・ファームは輸出していますか?
本記事は日本産牛肉の市場動向を解説するもので、当社による個別国への直接輸出を示すものではありません。