この記事の要点:家畜飼料は、エネルギー源、たんぱく質源、繊維源、ミネラル・ビタミンを組み合わせて設計します。日本の飼料穀物輸入は年間約1,200万トン規模で、その約9割がとうもろこしです。飼料用とうもろこしは米国とブラジルへの依存が大きく、輸入価格と為替が畜産経営へ直接影響します。
飼料は大きく2種類に分かれる
| 区分 | 主な原料 | 役割 |
|---|---|---|
| 濃厚飼料 | とうもろこし、大麦、小麦、大豆油かす、ふすま等 | エネルギー・たんぱく質を供給 |
| 粗飼料 | 稲わら、乾草、牧草、稲WCS、コーンサイレージ等 | 反すう、ルーメン環境、繊維を支える |
牛は反すう動物であり、濃厚飼料だけを増やせばよいわけではありません。粗飼料の物理性や発酵状態を含めたバランスが重要です。
エネルギー原料
とうもろこし
でんぷんを多く含み、配合飼料の中心的原料です。農林水産省資料では、飼料用とうもろこしの主な輸入先は米国とブラジルで、両国への依存が大きくなっています。産地は価格、収穫時期、品質、海上運賃を見ながら切り替わります。
大麦・小麦・こうりゃん
とうもろこしの代替・補完として使われます。大麦は肉用牛の肥育飼料にも利用されます。オーストラリア、米国、カナダなどが供給国になりますが、年度や用途、関税割当で構成は変動します。
たんぱく質原料
大豆油かす
大豆から油を搾った後の副産物で、代表的なたんぱく質源です。輸入大豆を国内で搾油して得るものと、油かすとして輸入するものがあります。大豆の主要生産・輸出国である米国、ブラジルなどの作柄・物流が価格へ影響します。
菜種油かす・その他
菜種油かす、コーングルテンフィード、DDGS、ビールかすなども、成分と価格を見ながら利用されます。副産物は資源循環に役立ちますが、水分、保存性、成分変動、運搬距離を確認します。
粗飼料
稲わら、チモシー、アルファルファ、オーツヘイ、牧草サイレージ、稲WCSなどがあります。輸入乾草では米国、カナダ、オーストラリアなどが供給国です。国産稲わらは肥育牛にとって重要な資源で、2024年度は飼料用稲わら87万トンのうち73%、63.6万トンが国産でした。
稲わらの品質は飼料用稲わらの品質とは?で解説しています。
ミネラル・ビタミン・添加物
カルシウム、リン、塩、微量ミネラル、ビタミンなどを必要量に合わせて加えます。給与量は少なくても、欠乏や過剰は健康と生産成績へ影響します。
原産国だけで品質を判断しない
同じとうもろこしや稲わらでも、水分、異物、カビ毒、粒度、消化性、保管期間で価値が変わります。国産・輸入のラベルだけでなく、成分分析、ロット管理、供給安定性を確認する必要があります。
よくある質問
配合飼料はとうもろこしだけで作られますか?
いいえ。穀物、油かす、食品副産物、ミネラル、ビタミンなどを配合します。
日本はどの国から飼料用とうもろこしを輸入しますか?
米国とブラジルが中心です。作柄や価格により構成は変わります。
牛には粗飼料が必要ですか?
必要です。反すうとルーメン環境を維持するうえで、適切な繊維と物理性が重要です。