この記事の要点:飼料は価格が安くても、必要な日に届かなければ使えません。調達では単価、品質、数量、納期、価格改定、運賃、欠品時代替を一体で管理します。一社集中と過剰な分散の双方にコストがあるため、重要原料ごとに代替可能性を設計します。
年間必要量を先に把握する
頭数×1日給与量×365日を基本に、導入・出荷計画、肥育段階、季節変動、残飼を加えて年間需要を作ります。牛舎増頭だけでなく、在庫スペースと発注頻度も同時に確認します。
契約で確認する項目
- 価格と改定時期・算定方法
- 運賃、荷下ろし、燃料サーチャージ
- 最低ロットと納期
- 成分規格、水分、異物、カビ毒
- 不適合時の返品・代替
- 欠品・災害時の配分
- 支払条件と与信枠
複数購買の考え方
主要原料を一社だけに依存すると、事故や欠品時の影響が大きくなります。一方、少量を多数社から買うと運賃、ロット管理、品質差が増えます。主契約と予備契約、または原料Aがないときの代替配合を決めます。
在庫は多ければよいわけではない
在庫を増やすと欠品リスクは下がりますが、資金が固定され、カビ、虫害、品質劣化、相場下落時の高値在庫が増えます。原料ごとに調達リードタイム、安全在庫、保管可能日数を設定します。
価格固定とスポット購入
固定価格契約は予算を立てやすい一方、相場下落の恩恵を受けにくくなります。スポット購入は安値を拾える場合がありますが、数量確保が不安定です。全量を一度に固定せず、時期を分ける方法もあります。
国産飼料との組み合わせ
稲わら、飼料用米、WCS、食品副産物を地域契約で確保すると輸入依存を一部下げられます。ただし天候、収穫機、乾燥、保管の地域リスクがあるため、輸入・国産を組み合わせます。
仕入先を価格だけで評価しない
納期遵守、不具合対応、分析証明、ロット追跡、緊急時の供給能力を評価します。年間で数円安くても、一度の品質事故や欠品で牛の成績が落ちれば損失は大きくなります。
毎月の購買会議で見る数字
- 在庫日数と発注残
- 平均購入単価・運賃
- 次回価格改定
- 原料別使用量と予算差
- 品質不適合・残飼
- 3~6カ月先の資金繰り
在庫管理の実務は畜産農家の飼料在庫管理、価格要因は飼料価格はなぜ高騰する?で解説しています。
よくある質問
年間契約の方が必ず安いですか?
必ずではありません。価格算定、数量拘束、運賃、相場変動を含めて比較します。
飼料は何日分備蓄すべきですか?
原料の保存性、納期、災害リスク、資金力で異なります。一律の日数ではなく原料別に設定します。
複数社から同じ飼料を買えば安全ですか?
供給分散になりますが、成分・粒度の差が牛へ影響しないよう規格を統一する必要があります。