この記事の要点:ニュージーランドの牛肉生産は、牧草地を利用した放牧が基本です。肉専用種だけでなく、乳用種や乳肉交雑牛も牛肉供給を支えます。人口に比べて生産量が大きく、中国、米国、日本などへの輸出が産業の重要な柱です。
牧草を生かす牛肉生産
ライグラスやクローバーなどの牧草地を活用し、牛を屋外で放牧する生産が中心です。肉用牛と羊を組み合わせ、牧草の状態や地形に応じて放牧する複合経営も一般的です。
季節に合わせた繁殖と出荷
南半球の冬から春にあたる7~9月ごろの分娩を軸に、牧草の成長に合わせて子牛を育てる季節生産が基本です。天候や牧草生育が増体、出荷時期、供給量に影響します。
酪農由来の牛も重要
肉専用種ではアンガスやヘレフォードが多い一方、ホルスタインなどの乳用種や、乳用種と肉用種の交雑牛も牛肉生産へ寄与しています。酪農の更新牛や子牛を肉用資源として活用することは、乳業の大きいニュージーランドならではの特徴です。
グラスフェッドの特徴
牧草中心で育てた牛肉は、赤身を求める市場で評価されます。ただし、グラスフェッドという言葉だけで味や品質が一律に決まるわけではありません。品種、牧草、月齢、季節、熟成、部位によって食味は変わります。
輸出型産業と日本市場
国内人口に対して生産量が大きいため、輸出は産業の中核です。農畜産業振興機構の現地調査では、日本は中国、米国に続く主要市場の一つとして位置付けられています。日本では赤身需要、外食、加工用途などで利用されます。
日本の牛肉輸入全体は日本は牛肉をどの国から輸入している?で比較しています。
アニマルウェルフェアと環境
放牧は牛の行動自由度という利点がある一方、暑さ・寒さ、降雨、寄生虫、水、移動距離など屋外特有の管理が必要です。ニュージーランドでは2023年に生体牛の海上輸出が禁止されるなど、動物福祉をめぐる制度と議論も産業へ影響しています。
日本の和牛生産との違い
ニュージーランドは牧草と土地を活用した生産、日本の黒毛和種は牛舎内での精密な個体管理と長期肥育が中心です。環境、飼料、求める肉質が異なるため、同じ物差しだけで比較するのではなく、それぞれの生産背景を確認することが大切です。
よくある質問
ニュージーランド産牛肉はすべてグラスフェッドですか?
牧草中心の生産が主流ですが、商品の表示条件や仕上げ方法は個別に確認する必要があります。
乳牛も牛肉になりますか?
はい。乳用種や乳肉交雑牛、更新された経産牛も牛肉生産に寄与します。
日本へも輸出されていますか?
はい。中国、米国などとともに、日本も主要な輸出市場の一つです。