十分に乾燥し、カビや泥の付着がない良質な稲わらは、牛の粗飼料として利用できます。稲作地域で得られる身近な国産資源であり、牛の反すうを支える繊維源として、肥育牛の飼養に用いられています。
稲わらが牛の飼料になる理由
牛は四つの胃を持つ反すう動物です。稲わらのような粗飼料をかみ、反すうすることで、第一胃の働きを支えます。稲わらは濃厚飼料とは役割が異なり、単独で必要な栄養をすべて満たすものではありません。牛の成長段階に応じ、他の粗飼料や濃厚飼料と組み合わせます。
肥育牛における主な役割
- 繊維源として反すうを促す
- 第一胃の状態を保つ飼料設計に利用する
- 国内の水田から得られる粗飼料資源を活用する
- 稲作農家と畜産農家をつなぐ耕畜連携に役立つ
飼料用稲わらに必要な品質
| 確認項目 | 理由 |
|---|---|
| 十分な乾燥 | 水分が多いとカビや変質につながる |
| カビがない | 牛の健康を守るため給与しない |
| 泥の付着が少ない | 土砂や異物の混入を避ける |
| 異臭がない | 保管中の変質を確認する |
| 適切な保管 | 雨や結露、地面からの吸湿を防ぐ |
農林水産省も、泥が付着したもの、カビが発生したもの、乾燥が不十分なものは飼料利用できないと案内しています。また、青みの強い稲わらはベータカロテンを多く含む場合があり、肥育段階や飼養方針に応じた判断が必要です。
水田と牛をつなぐ地域循環
水田から得られた稲わらを牛の飼料や敷料に利用し、牛舎から生まれた有機資源を堆肥として農地に戻す。この循環は、地域の未利用資源を生かし、稲作と畜産が支え合う仕組みです。牛ふん堆肥については「牛ふん堆肥とは?」もご覧ください。
ウェスタン・ファームの飼料への考え方
私たちは、牛の状態を観察しながら、粗飼料と濃厚飼料を組み合わせた飼養を行っています。地元産もち米を生かす「米ちゃん牛(よねちゃんぎゅう)」の取り組みは自家配合飼料へのこだわりとブランド紹介で紹介しています。
稲わらを販売・購入するときの注意
飼料として稲わらを販売する場合は、飼料安全法に基づく届出や帳簿の備付けが必要となる場合があります。自ら生産した稲わらを販売する場合の取扱いを含め、農林水産省または都道府県の案内を事前に確認してください。
よくある質問
稲わらだけで牛を育てられますか?
いいえ。稲わらは粗飼料の一つであり、成長段階に合わせて他の飼料と組み合わせます。
雨にぬれた稲わらは使えますか?
十分に再乾燥できず、カビや変質が見られるものは飼料に使用できません。
稲わらと牧草は同じですか?
どちらも粗飼料ですが、栄養成分や消化性が異なります。飼料分析や牛の状態に応じて使い分けます。