和牛子牛の購入上限価格は、期待する販売額から、導入後の全費用と必要利益を引いて決めます。市場平均や前回価格ではなく、自農場でその牛を育てた場合の期待値で入札上限を持つことが重要です。
上限価格の計算式
素牛購入上限=想定枝肉重量×保守的な枝肉単価+副産物収入-導入後費用-必要利益-リスク余裕額
導入後費用には飼料、敷料、診療、共済、運賃、販売費、労働、減価償却、金利を入れます。リスク余裕額は、枝肉単価下落、増体停滞、肥育延長、事故に備える枠です。
市場へ行く前に作る導入表
| 確認項目 | 見る理由 |
|---|---|
| 日齢・体重・DG | 発育と肥育期間の見込み |
| 血統と近親成績 | 増体・肉質の参考 |
| 体幅、肢蹄、姿勢 | 長期肥育への適応 |
| 採食、被毛、目、鼻、ふん | 当日の健康状態 |
| ワクチン・治療履歴 | 導入後管理とリスク |
| 自農場の過去成績 | 血統名より自社実績を優先 |
血統や見栄えが良くても、上限価格を超えれば見送ります。導入できなかったことより、高値導入した牛を約2年間抱えて資金と牛房を固定する影響の方が大きい場合があります。
平均ではなく分布を見る
「平均枝肉重量500kg、平均単価2,500円」だけでは危険です。下位25%の売上、事故率、肥育日数も計算します。悲観・標準・楽観の3ケースを作り、悲観ケースでも資金繰りが続く価格を上限にします。
導入後に必ず検証する
- 購入時の予測を個体番号へ保存
- 飼料、治療、体重、出荷成績を記録
- 予測と実績の差を血統・市場・担当者別に比較
- 半年ごとに上限価格モデルを修正
よくある質問
市場平均より安ければ買いですか?
必ずしもそうではありません。自農場の牛舎、飼料、得意なタイプと合うか、必要利益を残せるかで判断します。
枝肉相場が上がりそうなら上限を上げますか?
出荷は約2年先です。現在価格をそのまま使わず、長期平均や保守的な単価で計算します。