牛舎が満床でも、必ず利益が最大になるわけではありません。過密で採食競争、床悪化、疾病、増体低下が起きれば、頭数増の売上より損失が大きくなることがあります。見るべきは「適正密度で何頭を何日かけて出荷し、1牛房からいくら粗利益を得たか」です。
基本指標
- 牛房稼働率=延べ飼養頭日÷利用可能牛房頭日
- 平均肥育日数=出荷日-導入日
- 空舎日数=前回搬出から次回導入まで
- 牛房年間粗利益=出荷牛の粗利益合計-牛房固有費
稼働率100%を目標にすると、洗浄・乾燥・補修や群編成の余裕がなくなります。農場の疾病状況と作業方法に応じ、必要な空舎期間と予備房を計画します。
1頭多く入れる前に見ること
| 観察 | 過密時に起きる変化 |
|---|---|
| 飼槽長・採食 | 弱い牛が食べにくい、ばらつき増 |
| 横臥場所 | 休息不足、汚れ、外傷 |
| 床・敷料 | 湿潤、滑り、肢蹄負担 |
| 換気 | 湿度、臭気、暑熱負荷 |
| 作業 | 観察・追込み・治療が難しい |
肥育延長の見えないコスト
出荷を30日延ばすと追加飼料費だけでなく、次の素牛を入れられない機会損失が生じます。追加枝肉重量と格付け上昇の期待額が、追加費用と牛房占有価値を上回るかを判断します。
牛舎別に比較する
農場平均ではなく、棟・牛房ごとにDG、治療、事故、肥育日数、枝肉重量、粗利益を比較します。風向き、日射、給水、飼槽、床の違いが数字に表れることがあります。
よくある質問
稼働率は何%が適正ですか?
一律の正解はありません。隔離房、治療房、洗浄・補修、群移動に必要な余裕を確保し、事故率と粗利益で決めます。
空房は損失ですか?
単なる導入遅れは機会損失ですが、衛生、補修、緊急隔離のための計画的余裕はリスク管理です。