INSIGHTS

飼料分析はサンプリングで決まる|粗飼料・TMRの正しい試料採取

2026.08.02

この記事の要点:飼料分析の誤差は、分析室より前の「試料採取」で生まれることがあります。袋の表面だけ、サイレージの一か所だけ、選びやすい部分だけを採ると、ロット全体を代表しません。複数地点から少量ずつ採取し、混合・縮分し、密封して速やかに送ります。

なぜサンプリングが重要か

飼料は均一ではありません。乾草は葉と茎、TMRは粒度、サイレージは上部・側面・中心、穀物は荷口ごとに違いが出ます。偏った試料を精密に分析しても、農場で使っている飼料の値にはなりません。

基本手順

  1. 分析目的と対象ロットを決める
  2. ロット内の複数地点から採取する
  3. 採取物を十分に混合する
  4. 必要量へ縮分する
  5. 水分が変わらないよう密封する
  6. 試料情報を記録し速やかに送付する

飼料別の注意点

飼料 注意点
乾草・稲わら 複数ベールから専用プローブ等で採取し、葉だけを選ばない
サイレージ 安全を確保し、複数箇所を代表させ、空気と温度変化を抑える
TMR 配餌直後の複数地点、必要なら残飼も別に採る
穀物・配合飼料 荷受け時や複数袋から採取し、粉と粒の分離に注意
高水分副産物 沈殿・分離を混ぜ、水分変化と腐敗を防ぐ

分析項目を目的から選ぶ

  • 配合設計:水分、CP、NDF、ADF、灰分、TDN推定等
  • 保管異常:水分、カビ、カビ毒等
  • 発酵品質:pH、有機酸、アンモニア態窒素等
  • ミネラル問題:カルシウム、リン、微量元素等

すべてを毎回測るのではなく、飼料の種類と問題に合わせます。

記録する情報

  • 原料名、産地、仕入先、ロット
  • 収穫・製造・入荷日
  • 採取日時と採取者
  • 採取場所と方法
  • 保管状態、臭い、温度、外観
  • 給与牛群と採食状況

平均値だけでなく変動を見る

一回の分析値より、ロットごとの推移が重要です。水分変動が大きい原料は測定頻度を上げ、配合時の原物重量を補正します。

分析値の読み方は牛の飼料成分表の読み方、TMRの管理はTMRとは?をご覧ください。

よくある質問

見た目が平均的な一か所を採ればよいですか?

人の目による選択自体が偏りになります。複数地点を決めたルールで採取します。

古い分析結果を使い続けられますか?

同じ原料名でも収穫年、産地、ロット、保管で変わります。変更時や異常時に再分析します。

家庭用袋へ入れて送れますか?

分析機関が指定する容器・量・保存方法に従ってください。高水分試料は特に変質防止が重要です。

参考資料

INSIGHTS