この記事の要点:2025年の台湾向け日本産牛肉輸出量は2,617トンで、国・地域別の第1位でした。2025年5月には30カ月齢未満という輸出条件も撤廃され、長期肥育される黒毛和種を含め、輸出機会の拡大が期待されています。
台湾は日本産牛肉最大の輸出先
農畜産業振興機構によると、2025年の台湾向け輸出量は前年比25.0%増の2,617トンで、日本産牛肉輸出全体の22.1%を占めました。2024年の実績は2,096トン、113億円であり、数量・金額とも拡大しています。
日本産牛肉全体の順位は日本産牛肉・和牛はどの国へ輸出されている?で比較しています。
台湾で和牛需要が広がる背景
台湾では日本食への親和性が高く、焼肉、しゃぶしゃぶ、すき焼き、鉄板焼き、火鍋など、薄切り肉からステーキまで幅広い食べ方があります。高級レストランだけでなく、専門店や小売へ販売チャネルが広がることで、ロイン以外の部位にも需要をつくりやすい市場です。
2025年に月齢制限が撤廃
台湾向け日本産牛肉は、従来「30カ月齢未満の牛由来」という条件がありました。農林水産省は2025年5月22日付で、この月齢制限が撤廃されたと発表しています。黒毛和種には30カ月齢以上でと畜される牛も多いため、輸出できる対象が広がる重要な変更です。
部位と料理の提案が重要
和牛輸出というとサーロインやヒレが注目されますが、一頭全体の価値を高めるには肩、モモ、バラの提案が欠かせません。焼肉、火鍋、薄切り、煮込みなど、台湾の料理に合わせたカット規格と調理情報をセットで提供する必要があります。
部位ごとの特徴は牛肉の部位一覧をご覧ください。
台湾へ輸出するための条件
台湾向け牛肉は、認定されたと畜場・食肉処理施設で処理し、食肉衛生証明書の発行を受け、動物検疫所の輸出検査を受ける必要があります。施設認定、証明書、表示などの条件は改定されるため、取引時点の農林水産省・動物検疫所情報を確認します。
生産者情報は海外でも価値になる
個体識別、肥育地域、飼料、飼育環境、枝肉格付といった情報は、価格だけでは説明できない日本産和牛の価値です。仙台牛のように産地と認定基準が明確な牛肉は、生産背景を正確に発信することが信頼形成につながります。
よくある質問
台湾は日本産牛肉の最大輸出先ですか?
2025年の数量では台湾が第1位です。金額では米国が最大で、指標により順位が異なります。
台湾向けに30カ月齢以上の牛肉を輸出できますか?
2025年5月に従来の月齢制限が撤廃されました。ただし、衛生証明や認定施設などその他の条件は引き続き適用されます。
輸出統計はすべて和牛ですか?
いいえ。公的統計は日本産牛肉全体であり、すべてが和牛とは限りません。